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南極最大の氷底湖、ロシアが到達か
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     ロシアの調査チームが、南極の分厚い氷床の表面から3768メートル下にある淡水湖の水面に「肉薄」したことが、報道により明らかになった。掘削が湖水面に達すれば、南極の氷底湖に到達した史上初の例となる。

     

     ノーボスチ・ロシア通信社は2月6日、調査チームのドリルが実際にボストーク湖に達したと報じた。

     

     しかし、テキサスA&M大学の教授(海洋学)で、これまで複数の南極調査グループを率いてきたマーロン・C・ケニカット(MahlonC.KennicuttII)氏は、公式発表が出るまで、このような報道は懐疑的な目で見るべきだと指摘している。

     

    「これほど目立たない形で公式発表が行われたとしたら驚きだ。また、(ロシア通信社の報道の)情報源の1つは匿名だ。だから本当のところはわからない」。

     

     モンタナ州立大学の生態学者ジョン・プリスク(JohnPriscu)氏も、ケニカット氏の慎重な見方に同調する。プリスク氏はナショナルジオグラフィックニュースに寄せた電子メールの中で、「掘削がボストーク湖に達したとの噂は何度も出回っているが、ロシアの研究プログラムからの公式発表が必要だ」と記している。

     

     1996年の発見以来、複数の調査チームが今回と同じ掘削シャフトを用い、世界最大級の淡水湖であるボストーク湖到達を目指してボーリング作業を継続してきた。調査可能な期間は限られており、今回はロシアのチームが1月初頭から掘削を行っている。

     

     2月6日の時点で、このチームは氷河の下にあるボストーク湖にあと5〜10メートルにまで迫ったとみられると、プリスク氏はBBCニュースの取材に対し述べている。

     

     南極の夏の終わりが急速に近づく中、ロシアの調査チームは今季中に目的を達成できるか、来年に持ち越しとなるか、時間との闘いを迫られている。チームが目指すのは、2500万年にわたり氷に閉じ込められてきた五大湖にも匹敵する大きさを持つ水塊の封印を解くことだ。

     

     仮に掘削が湖水面に達すれば、「派手な水しぶきが起きるだろう。といってもこれは、比喩的な“大成功”という意味だ」とテキサスA&M大学のケニカット氏は述べた。

     

    ◆氷底湖到達レースの始まり

     

     南極の氷床の下からはこれまで数十年の間に145以上の氷底湖が発見されているが、そのほとんどは長さ数キロだ。その中でボストーク湖は最大の大きさを持つ。

     

     これらの氷底湖は我々の住む地球に関して、新たな発見の機会を提供してくれる可能性がある。具体的には、気候変動の経過に関する新しい知見や、いまだ知られていない生命体の存在が明らかになるといったことが期待される。

     

     例えばモンタナ州立大学のプリスク氏は、これまでにも氷底湖に微生物が存在する証拠を発見している。これらの微生物は鉱物をエネルギー源としており、2007年当時、同氏はナショナルジオグラフィックニュースに対し、「岩を食べている」と説明した。

     

     どのような発見があるにせよ、仮にロシアの調査チームがボストーク湖に到達した場合、「この調査により南極での科学研究の様相は一変し、広大な南極の氷床の下に存在するものについて、全く新しい視点が得られるだろう」と、プリスク氏は6日に述べた。

     

     氷河の下に数々の水塊が発見されたことにより、20世紀初頭の南極点到達レースにも似た“氷底湖到達レース”が始まり、複数の調査チームが氷底湖の封印を最初に解くことを目指していると、ケニカット氏は語る。

     

     例えばイギリスでは、ボストーク湖とは別の氷底湖であるエルスワース湖について、2012〜13年にかけての南極の夏季に掘削調査を行う計画を立てている。

     

     ロシアの調査チームではボーリング作業による湖水の汚染を防ぐため、掘削の速度を落としている。ケニカット氏によれば、掘削作業の最後の数メートルは熱水ドリルを使うなどして、湖の環境に外部からの物質の流入がないよう留意しているという。

     

     ボストーク湖への到達は、「科学的問題以上の意味を帯びている。これはロシアの南極プログラムの中核をなすものだ」とケニカット氏は指摘する。「国の威信がかかっており、初到達という称号は、ロシア国民にとって非常に大きな意味を持つ」。

     

    NATIONAL GEOGRAPHIC - 2012年2月2日

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